変わる相続制度(1-2) 優遇案

長年一緒の配偶者、優遇案

 中間試案に盛り込まれた見直しについて、法務省は高齢化が進んだ社会への対応を理由に挙げる。65歳以上が占める割合(高齢化率)は85年に10・3%だったのが、15年は26・7%で4人に1人を超えた。同年の平均寿命は男性が80・79歳、女性は87・05歳で、30年前より約6年延びた。

 家族のあり方への国民意識の変化も理由に挙げる。年齢を重ねてからの離婚や再婚も増加。一方が亡くなったとき、結婚期間が長い夫婦もいれば、短い夫婦もいる。再婚相手に子どもがいれば、相続人が増える場合もある。

 今回の見直しでは、法律婚で長年連れ添った配偶者の優遇策が目立つ。結婚から20~30年が過ぎた夫婦の場合、配偶者が子どもと分ける際の法定相続分について、2分の1から3分の2に増やす案が示された。夫婦で長く暮らしていれば、財産を増やすことに貢献してきた、という考え方だ。

 また、自宅の所有者が亡くなっても、配偶者がそのまま住み続けられる「居住権」の新設も盛り込まれた。遺産分割が終わるまでの「短期居住権」と、終身または一定期間の「長期居住権」を設ける。

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 このほか、「長男の妻」など相続人ではない人が介護などで貢献していた場合、相続人に金銭を要求できる制度を新設。遺言制度を使いやすくするため、自筆証書遺言のうち土地の目録などはパソコンによる作成も認めるという。

 法務省はこうした試案について、9月末まで意見を公募している。結果を踏まえ、法制審の部会が再び議論をし、法相に答申する。同省は来年の国会にも改正法案を提出する方針だ。

                                                                              朝日新聞   2016年8月24日 より